2004.9.24 犬の車椅子(イブちゃんの車椅子)

・9月に入ってから、ネットで知り合った大阪のKさんの飼っているシェパード「イブちゃん」の車椅子を製作しました。

・私にとっては初めての大型犬用車椅子作りでしたが、フレームにイレクターというパイプ材料を使用して製作したところ、加工が簡単で強度も確保でき、意外とうまく行きましたのでご紹介します。

・イブちゃんは体重33kgで10歳の雌のシェパードでですが、以前から股関節形成不全の傾向があったそうで、高齢ということもあり今年の5月頃より歩行困難になってきて、いまでは一人で立つことができなくなってしまったそうです。(移動は前足でいざりながらおこなっているそうです)

・イブちゃんの散歩は、アイアンバロンのハーネスで腰を支えて行っているとのことでしたが、完全な麻痺ではないので、車椅子の製作にあたってはリハビリ効果を狙って、後ろ足を自由に動かせるタイプ(Kさんの希望でした)の物に決定しました。

・Kさんの家は、埼玉の我が家から遠く離れているので、メールと電話で連絡をとりながらイブちゃんの体のサイズを教えてもらって製作しました。

・それでは、車椅子の製作を考えている方のために、製作過程をご紹介します。イレクターについては、こちら→http://www.yazaki.co.jp/をご覧ください。

イレクターパイプを必要な長さにカットします。(切断をしてくれるホームセンターもあります。)

イレクターのコネクターは接着して組み立てますが、一度接着すると取り外しできなくなります。イブちゃんの体にフレームを合わせて見て、調整が必要な場合、取り外しができるように最初はビス止めで組むことにして、コネクターに穴をあけました。(最終的には強度を確保するために接着します)

車軸のボルトを取り付ける部分は、パイプの上にストレートコネクターを接着して強度を確保しました。またパイプの先端にもキャップを接着します。

パイプやコネクターに穴を開けるために、ボール盤を使用しました。

パイプやボルトのカットには、切断機を使用しました

パイプに車軸を取り付けるため直径8mm穴をあけているところです。ハンドドリルだと垂直に穴をあけるのが難しいかもしれません。

車輪はOGK製の直径30cmミニホイールを使用しました。(前にフントの車椅子やさんからご好意でいただいた物です)

車軸は、パイプに8mmのボルトを固定し、ミニチュアベアリングとアルミパイプを被せます。(後で長さ15cmの物に変更しました)

車軸の先端はダブルナットでゆるみ止めにします。

車輪を仮止めした時の様子です。

カットしたパイプをコネクターに差込み、タッピングビスで組み立てて行きます

フレームを仮組みした時の写真です。後で形状を変更しましたが・・・

赤い部分は、体の保護のためのウレタンパイプです。肩にあたるアーチ部分は芯にアルミの板材が入っています。

コネクターはこんな感じです。タッピングビスでパイプを止めています。(半日でここまで製作できました。)

前の写真では、車輪の取付け部の強度に不安があったのでイレクターパイプで補強することにしました。

車軸も直径8mm長さ15cmのステンレスボルトに変更しました。

フレームには、斜めの補強も入れました。

他にも斜めの補強を追加し、フレームが完成しました。

肩あての部分はこんな感じです。

アドの車椅子と比較するとデカイのが良くわかります。

イブちゃんの車椅子のサイズです。上のサイズ+パイプの太さが全体サイズになります。

車輪の内側には、後ろ足保護のためのウレタンパイプを取り付けました

夜の散歩の安全のため、点灯・点滅切り替え式のテールランプを取付け、ハーネス吊り下げようのカラビナも取付けました。

かなりデフォルメされていますが、胸ベルトと首輪ハーネスのイメージです。ワンタッチバックル→で止めます

ハーネスは38mmと25mmのナイロンベルトを使用して製作しました。

腰を吊るためのハーネスは、Kさんの手作りです。

車椅子が大きいので、一部分解して宅配で大阪に送りました。夜到着してすぐに組み立て、すぐに写真を送ってくれました。

フレームサイズは、ほぼピッタリで調整の必要はありませんでした(イブちゃんは車椅子を付けた後すぐに、嬉しそうに早足で歩いてくれたそうです)

翌朝の散歩の写真です。

10歳ということですが、若く見えますね〜

リードを咥えて散歩を催促しているんですか〜?

腰の部分の吊り下げ高さは調整することができます。後ろ足保護のために靴を履かせています

・イブちゃんの車椅子は、Kさんの採寸が良かったのでフレームの作り直しがありませんでした。

・この車椅子を使ったリハビリの効果があがるといいですね、イブちゃんがすぐに車椅子に慣れてくれたので、安心しました。イブちゃんも、散歩を堪能できたことでしょう。

・イレクターは少し重くなりますが強度があるので、中型〜大型犬用の車椅子の材料としてはお勧めです。