2005.4.16犬の車椅子(陣丸君の車椅子)

もうすぐ18歳になる柴犬、陣丸君の車椅子をご紹介します。

2005.2.2に陣丸君の飼い主さんから次のようなメールをいただきました。

陣丸は、2004年の冬から調子が悪く寝たきり状態になりつつありました。

病院で寒さに対応しきれなくなっているから暖かくしてあげるようにとのことで、現在は部屋で飼っています。後ろ足が3週間ほど前からほとんどきかなくなっていますが、リハビリを兼ねて運動させると2〜3歩は歩きます。

前足はまだ丈夫な為、後ろ足をもって歩かせるとどんどん散歩します。先生にも運動は出来るだけしてあげたらいいよと言われていますが、なにせ後ろ足を支えてやって散歩させるのは人間の方が参ってしまうのです・・・。

そこで車椅子はどうかな?と考えました。製作方法はいろいろと詳しく載せていただいているものの、私には作れそうにありません。高齢ですが、出来れば歩きたいだけ歩かせてあげたいのです。柴犬で雄、体重は9kgくらいです。

陣丸君の自宅はとても遠いので、いつものように体のサイズを知らせていただいて車椅子の製作をはじめました。

採寸結果を元に作ったくるまいすです。DWPさんのカウンターバランスを真似てレッグリングを普通より後ろに取り付けてあります

パイプは直径22mm、タイヤの直径は20.5cmです。

完成した車椅子を送ったところ、カウンターバランスで重心が後ろに偏ったことと、飼い主さんの採寸違いの相乗効果でこんなことになってしまいました

レッグリングの位置が全く低く、ちゃんと乗れる状態ではありませんでした。陣丸君が可哀想な状態になっています。

この状態では、フレームを持ちあげてタイヤが地面から浮いています。タイヤと地面との間隔を測ってもらって作り直すことになりました。

採寸結果に基づいて、フレームを作り直したところです。かなり背が高くなりました。この時点でもまだカウンターバランスです。 

車輪は、いつものようにハの字に開いています

新しいフレームにしたところです。高さは良くなりましたが前後長が短く、バランスも悪いため、足つりベルトを離すと尻餅をついてしまいます。

送ってもらった写真を使用して、飼い主さんとフレームの修正案を検討しました。

再び飼い主さんに採寸していただいて、フレームを修正しました。前後長を長くして、肩当のアーチも深くしてあります。レッグリングも普通の位置に取り付けました。

フレームは直線の継ぎ手で延長しました。

タイヤの幅も広くなっています。

三度目の正直で、やっと陣丸君の体に合う車椅子が完成しました。

陣丸君は、車椅子が体に合わない状態で試乗した時も、無理やり歩いてくれたようです。今度は体に合ったので大丈夫ですね。

飼い主さんのコメントでは、陣丸君はよく歩く日もあれば、あまり歩けない日もあるようですが、今日もよろよろながら散歩を楽しんでいるようです。

春になって気温が上がってきましたので、陣丸君の調子も良くなってくると思います。寝たきりにならないでよかったですね。

・陣丸君は、飼い主さんの愛情に応えて頑張ってくれたんだとと思います。車椅子で適度な運動を続けて、20歳を超えても更に頑張ってほしいですね!!

・今回は、車椅子が完成するまでかなり手間取ってしまいました。飼い主さんや陣丸君にたいへんご迷惑をおかけしました(謝)

・今回の事で、安易に人の真似をして、フレームのバラスが悪くなるとうまく乗れないことが良く分かりました。(反省)